市教育委員会が策定した「市立小中学校におけるこれからの水泳学習に関する方針」では、水泳学習の課題として、プールの老朽化や水泳に関する教職員の専門性低下の危惧、教職員にかかる負担増などを挙げている。
学校プールのあり方については、既存の学校プールに多額の費用がかかる修繕や設備などの更新が必要となった場合、民間プールを利用して授業を行う費用と比較し、存廃を判断。民間プールを利用した方が低額な場合は学校プールを廃止し、他校や公設、民間のプールを活用して授業を行うこととしている。
費用については、今後20年間に必要な維持管理経費と民間プールで授業(2時限分連続)を行う経費から算出した、児童生徒1人・1時限分当たりの単価を基準とした。
老朽化する豊丘小プールを巡っては、市教委が昨年の市議会3月定例会で廃止の方針を示したが、市議会が当初予算に対し方針撤回などを求める付帯決議を全会一致で可決。市教委は廃止をいったん見送り、今年1月にPTA会長や学校長らでつくる「小中学校プールのあり方検討会議」から提出された提言を基に方針案をまとめ、市民から意見を求めた。
勝山教育長は答弁で、豊丘小が昨年と今年、高甫小プールや民間プールで授業を行ったことから「児童、保護者、教員にアンケート調査を行い、その結果も方針に反映した」と説明。廃止については11月21日、豊丘小の保護者に説明したとし、「校外のプールを活用したとしても、児童生徒に不利益がないように十分な配慮をしていく」と答えた。
久保田議員は再質問で、保護者をはじめ低学年の教員からも不安の声があるとし、「公教育は費用対効果では図れない。もう一度立ち止まる必要があるのではないか」と指摘。
山岸和美教育次長は「校外のプールを使うことで出てくる課題については、一つ一つ対応していかなければいけないと考えている。教育的な差が生じないように十分配慮していく」と述べた。
市教委によると、水泳授業は年間10時間程度。夏休みのプール開放はしていない。