県内小選挙区は立民が1・2・3区の3議席、自民が4・5区の2議席を得た。比例代表北陸信越ブロック(定数10)の議席は、自民4、立民3、国民民主党1、公明党1、日本維新の会1となった。
小選挙区比例代表並立制導入(1996=平成8=年)から10回目の総選挙。
選挙前の自公連立政権は過半数(233議席)を上回る議席を得ていたが、自民党議員の政治資金収支報告書不記載など「政治とカネ」の問題や物価高・賃上げ・税制など経済政策、保険証など社会保障に関心が高まり、1強政治の流れを変えようとする投票行動が見られ、連立与党が過半数割れとなった。
篠原氏は前回(2021=令和3=年の第49回衆院選)の比例代表北陸信越ブロックで当選し、今回は小選挙区で勝利した。小選挙区は第45回(09=平成21=年)から第48回(17=平成29=年)まで連続4回と今回の5回当選。比例は第43回、第44回、第49回の3回当選。
長野1区の開票速報で篠原氏当選確実が出ると、篠原氏は「(争点は)最初から政治とカネの問題だと思って突っ走った。一番痛切に感じているのは地方の活性化だ。疲弊の根底にあるのは、農林産業がきちんとしていないからだ。このまま行ったら人口減少もあり、日本はつぶれてしまうんじゃないかと思う。8期目はこのことを真剣にやりたい」
「政治とカネの問題をずっとやってきて、これからも中心となってやっていきたい。(終盤で報道された、自民党非公認候補が代表を務める支部へ支給したとする)2,000万円問題の後、批判が高まり、相当響いたのではないか」と語った。
小選挙区で落選した若林氏(党の公認を得たが重複立候補は認められなかった)は「大変な逆風の中でのスタートでご心配とご支援をいただいたことを感謝申し上げる。(落選の)結果は全て私自身の責任だ。今回の不記載(368万円)の問題を含めて皆さんにおわびを申し上げたい」と語った。巻き返しを図る最終盤での2,000万円問題は大きな逆風となった。
日本維新の会新人の若狭清史氏(44、長野市)は選挙戦で、政治とカネの問題を徹底的に追及すべきだ、地方分権により予算と権限と責任を地方に持ってきて政治刷新をと訴えた。党応援演説も「即戦力」を強調したが、及ばなかった。
各候補者の得票に占める須高の割合は、若林氏13.29%、篠原氏13.24%、若狭氏12.95%。市町村別では、須坂市は篠原氏9.4%、若狭氏9.4%、若林氏9.2%。小布施町は篠原氏2.5%、若林氏2.4%、若狭氏2.3%。高山村は若林氏1.7%、篠原氏1.3%、若狭氏1.2%。
期日前投票(16日~26日の11日間)は、須坂市8,279人、小布施町2,144人、高山村1,536人で、選挙人名簿登録者(10月14日時点)に占める割合は須坂市19.92%、小布施町23.26%、高山村27.55%。前回(11日間)に比べ、須坂市と高山村は上回り(27人、59人)、小布施町は87人下回った。
投票率(小選挙区)は須坂市52.17%、小布施町61.28%、高山村61.40%。長野1区の55.74%に比べ須坂市は3.57ポイント下回り、小布施町と高山村は上回った(5.54ポイント、5.66ポイント)。全県は57.21%。須坂市は5.04ポイント下回り、小布施町と高山村は上回った(4.07ポイント、4.19ポイント)。
投票率の推移では、須坂市は第46回から連続5回50%台。小布施町と高山村は第48回から連続3回60%台。今回は共に前回を下回った(須坂市4.04ポイント、小布施町2.8ポイント、高山村3.43ポイント)。