児童は学校での学びを発表し、地域住民に向け感謝を伝えた。長野市出身のピアニスト山本貴志さんの記念講演会とコンサートでは山本さんの伴奏に合わせた全員合唱の伸びやかな歌声が会場に響きわたった。
式典は同校や実行委員会の主催で、来賓、保護者、地域住民ら約100人が出席。松澤裕子校長はあいさつで「自然豊かで歴史ある高甫の地で、地域の方々に支えられながら豊かな学びが展開されている。未来へ向け、地域とともにある学校として明日の日本を担う人の育成を進めていきたい」と述べた。
1年生から6年生までの代表者が、ステージで八町きゅうり栽培や60年の歴史がある全校登山などについて発表。伝統を大切にしながら新しいことに挑戦していくと決意した。
式典後の講演会とコンサートでは山本さんが4曲を演奏した。1曲目はショパン『ノクターン2番』。山本さんから「この楽曲は夜の音楽。目を閉じたりリラックスして聴いてみて」と言われ、児童は目をつむり、耳を澄ませた。
山本さんは演奏の合間に、自身の暮らすポーランドと国境を接するウクライナとロシアの戦争に触れた。戦争は人の心を傷つけると語った。
質問コーナーでは児童から、将来の夢を持ち続けるためにはどんな努力が必要かと問われ、「自分が楽しく続けていくために楽しい工夫をする。メリハリをつけて休むときは休む、頑張るときは頑張ることが長く続けるコツ」とアドバイスした。
「たくさんの人と音楽を楽しむことが一番幸せな音楽の形」と話す山本さんの伴奏に合わせて、全員で「ふるさと」や校歌などを歌い、会場一体となって150周年の節目を祝った。
フィナーレは児童と職員が山本さんへ感謝を込めて歌と合奏を届けるサプライズを用意。山本さんは「胸がいっぱい。僕の今の夢は日本中、世界中の人とすてきな曲を共有すること。皆さんの歌声と演奏を聴いてかなえられそうな気がしてきた。勇気づけられました」。大きな拍手で見送られ会場を後にした。